🏠築1年未満の住宅で判明した「省令準耐火構造」の落とし穴
先日、岐阜県にて築1年未満の住宅の**ホームインスペクション(住宅診断)**を実施しました。
依頼者の方からの最初のご相談内容は、「引渡し前の検査で仕上げがとても悪く、隠ぺい部の施工が心配」「特に省令準耐火の仕様が正しく施工されているのか不安」というものでした。
実はこの方、最初に複数のインスペクション会社へ相談されたそうですが、
「省令準耐火の検査は対応できません」とすべての会社から断られたとのこと。
最終的に当社「家のちえ」にたどり着かれたそうです。
正直、私としては「なぜできないのか」が不思議でした。省令準耐火の検査は専門知識が必要ではありますが、特別難しいわけではありません。
そこで当社でしっかりと対応させていただきました。
🔍検査の結果 ― “省令準耐火”どころではない実態
実際に調査を進めると、省令準耐火の仕様どころか、建築基準法上の防火構造や断熱・気密の基本すら守られていない状態でした。
問題の一例
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妻壁の防火構造が未施工
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基礎貫通部や基礎断熱の処理が不適切
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電気工事の配線の接続部分で分岐ボックスの未使用や断熱材に実線を埋め込んでいるなど不備が多数
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天井裏のロックウール被覆なし(防火不備)
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コンセント廻りの耐火処理なし
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ダクト材質・被覆が省令準耐火基準に不適合
 
つまり、ほぼ一般仕様の住宅でした。
これらは一見すると「軽微な見落とし」に見えるかもしれませんが、実際は延焼・火災時の安全性に直結する重大な不備です。
現場監督も電気・設備の詳細まで理解できておらず、「職人任せ」になっていたことが原因と推測されます。
💰是正費用と現実的な問題
指摘項目が多岐にわたるため、全てを是正しようとすれば多額の費用が発生します。
本来であれば施工業者の責任ですが、引渡し後の対応は容易ではありません。
依頼者様が真面目に家づくりを進めていただけに、非常に気の毒でした。
🧰 高性能機器を駆使した調査も実施!
今回は、通常のインスペクションに加え、
サーモグラフィー・ファイバースコープなどの機器を使用。
さらに、最近導入した**フォグマシン(スモークテスター)**を活用しました。
これは煙を発生させ、給排気やダクト内の漏れ・逆流を可視化するための装置です。
全館空調で「ある部屋だけ冷えにくい」という症状があったため、
実際にダクト内へ煙を注入してチェック。
結果、異常は無く、接続部からの空気漏れがないことが確認できました。
フォグマシンの効果は想像以上で、
「気流の可視化」による検証は住宅診断において非常に有効だと感じました。
🏡まとめ:見えない部分こそが“住宅品質”の真価
仕上げがきれいでも、隠ぺい部の施工不良は住宅の耐久性・安全性・快適性を大きく損ないます。
今回のように、省令準耐火構造の認識不足や職人任せの施工が続けば、
火災リスクや断熱不良が後々顕在化します。
当社「家のちえ」では、
✅ 省令準耐火構造検査
✅ 断熱・気密検査
✅ 防火・防露診断
✅ 全館空調の気流検査
など、実務経験と測定機器の両面から精密な住宅診断を行っています。
大手インスペクション会社が対応できない内容でも、まずはお気軽にご相談ください。
 
 
 
 
 
 
 
 
