【第一回目の現場検査を実施しました!テーマは「ベタ基礎の配筋検査」】
先日、第一回目となる現場インスペクションを行いました!今回の検査対象は「ベタ基礎の配筋」。
家づくりにおいて最初の重要な工程であり、建物全体の耐久性や安全性に大きく関わる部分です。
私たちは、ホームインスペクションを単なる「チェックリスト方式の検査」に終わらせるつもりはありません。
図面に書かれた通りに施工されているかを確認するのは当然として、それ以上に「見えにくい部分」「図面では読み取れない施工の癖や現場の空気感」までを丁寧に確認し、将来的なトラブルの芽を潰していく。それが私たちのモットーです。
今回も、図面上の鉄筋の径やピッチ、かぶり厚、アンカーの長さや定着長など、基本的な項目についてしっかりとチェックを行いました。
ですが本当に大切なのは、そこから一歩踏み込んだ“見えにくい不備”に気づけるかどうかです。
【現場で特に注意したポイント①:鉄筋相互の「あき」】
住宅基礎の配筋で、あまり注目されにくいけれど非常に重要なのが「鉄筋相互のあき(隙間)」です。
これは、鉄筋同士が結束されず、交差する・交わる部分にできる隙間のことで、実は生コンクリートがしっかりと流れ込むために必要不可欠なスペースです。
住宅では、構造上あまり太い鉄筋は使われませんが、それでもこの「あき」には一定の基準があります。
おおむね25mm以上の隙間を確保することが求められており、これを満たさないと生コンが回らず、空洞やジャンカの原因になることも。
今回の現場でも、スラブ筋と立上り筋、そしてアンカー筋が複雑に絡み合い、局所的に鉄筋が過密になっている箇所が見受けられました。
このような場合、しっかりと生コンが打設されなければ、構造強度を損なうリスクもあります。
私たちはこのような箇所を見逃さず、事前に是正のアドバイスを行いました。
【現場で特に注意したポイント②:土間下の「かぶり」】
次に注目したのが「土間下のかぶり厚」です。
鉄筋はコンクリートで適切に覆われることで、錆や爆裂等の構造上の瑕疵から守られます。
この“コンクリートのかぶり”が不足していると、時間が経つにつれて鉄筋が劣化し、建物の耐久性に影響を及ぼす可能性があります。
この部分は瑕疵保険の検査でも比較的よく見られる項目ですが、現場では思わぬ落とし穴があります。
それは、整地が不十分だったり、作業員が鉄筋を踏みつけることで、スペーサー(サイコロ)が沈んでしまうケースです。
結果として、かぶり厚が規定以下になってしまい、本来の耐久性が発揮できなくなってしまうのです。
今回の現場では、スペーサーの設置位置や安定性も含めて、丁寧に確認しました。こうした「現場ならではの誤差」に対しても、私たちは目を光らせています。
【瑕疵保険法人の検査だけでは足りない“本当に重要な検査”とは】
ここまでの内容を読まれて、「それって瑕疵保険法人の検査でも見てくれるんじゃないの?」と思われた方もいるかもしれません。
もちろん、基本的な検査項目については第三者機関でもチェックされます。しかし実際には、項目ごとに“確認した形跡”が残れば検査合格とされることも少なくありません。
私たちのインスペクションは、「チェックするだけ」では終わりません。
建築現場の空気、職人の癖、配置の仕方、工程の進み具合など、図面だけではわからない“現場のリアル”を掴み取ることに重点を置いています。
だからこそ、見落とされがちなリスクにも事前に気づき、施工者と丁寧にコミュニケーションを取りながら、未然に問題を防ぐことができるのです。
【まとめ:第一回目の検査で得られたこと】
今回の配筋検査を通じて、やはり“現場を見てこそ分かること”が数多くあると再認識しました。
鉄筋の配置一つとっても、その密集具合や隙間の確保状況、かぶり厚の確保、スペーサーの安定性など、目視と経験をもとにした総合的な判断が求められます。
これから家を建てる方にとっても、「インスペクションは最初から入れておくべき」と実感していただける内容だったのではないでしょうか。
引き続き、現場ごとにレポートをアップしていきますので、家づくりに関わるすべての方にとって参考になるような情報をお届けしていきます。
次回は、基礎立ち上がり部分の検査やコンクリート打設後のチェックについてお話する予定です。ぜひお楽しみに✨