中古住宅ホーム インスペクション

【雨漏りで外壁を剥がしたら…】内部ではここまで腐朽が進んでいました

【雨漏りで外壁を剥がしたら…】内部ではここまで腐朽が進んでいました

外壁通気層は「あるだけ」では意味がありません

今回の写真は、雨漏りが発生していた住宅の外装材を剥がしたときの状況です。

普段はサイディングに隠れて見えない部分ですが、外壁を撤去してみると、内部では胴縁の腐朽がかなり進行していました。

外から見ただけでは、なかなか分からない劣化です。

なぜ、ここまで腐朽が進んでしまったのでしょうか?

原因は一つとは限りませんが、今回の住宅で大きな問題となっていたのが、

「外壁通気層が正常に機能していなかったこと」

です。

外壁通気層は何のためにあるの?🏠

現在の木造住宅では、サイディングなどの外装材の裏側に通気層を設ける工法が一般的です。

外壁通気層には、大きく分けて、

① 外壁内部の湿気を排出する

② 外装材の裏側へ入った雨水を排出し、乾燥しやすい状態をつくる

という重要な役割があります。

外壁材だけですべての雨水を完全に止めるのではなく、万一外装材の裏側へ雨水が入り込んだ場合でも、透湿防水シートなどの二次防水層で壁内部への浸入を防ぎながら、下方へ排水する。

さらに通気によって湿気を外へ逃がし、外壁内部を乾燥しやすい状態に保つ。

これが外壁通気層の重要な考え方です。

今回は「水が抜けない・湿気も抜けない」状態でした

今回の住宅では、通気層が本来の役割を十分に果たせていませんでした。

つまり、

☑️ 雨水が適切に排水されず滞留する

☑️ 湿気が十分に抜けない

☑️ 濡れた部分が乾燥しにくい

という状態です。

木材は、一度濡れたからといって直ちに腐るわけではありません。

重要なのは、**「濡れたあとに乾燥できるか」**です。

雨水などによって木材の高含水状態が長期間・繰り返し続き、腐朽菌が活動しやすい条件が整えば、木材の腐朽が進行する可能性があります。

今回のように、雨水が入り、さらに通気・排水が十分に機能せず乾燥しにくい状態が続けば、外壁下地の劣化を進行させる大きな要因になります。

胴縁が腐ると何が問題なのか?⚠️

「胴縁が少し腐っているだけなら、構造材ではないから大丈夫では?」

と思われるかもしれません。

しかし、胴縁には重要な役割があります。

サイディングなどの外装材を胴縁へ留め付ける工法では、胴縁が外壁材を保持するための重要な下地になります。

その胴縁が腐朽すると、木材そのものの健全性が失われ、釘やビスなどの留付け部についても本来期待される保持性能を確保できなくなるおそれがあります。

つまり、

「外壁材を支えている下地そのものが弱くなる」

ということです。

腐朽がさらに進行すれば、外壁材の浮きや変形、留付け部の性能低下などにつながる可能性も考えられます。

問題は胴縁だけで終わらないことも

さらに注意したいのは、雨水の浸入や湿潤状態が胴縁だけに限定されるとは限らないことです。

防水層にも不具合があり、雨水がさらに壁内部へ浸入していれば、

⚠️ 構造用面材

⚠️ 柱・間柱

⚠️ 土台

⚠️ 断熱材

などにまで影響が及ぶ可能性があります。

雨漏りというと、室内の天井や壁に「シミが出る」というイメージが強いかもしれません。

しかし本当に怖いのは、室内に症状が現れる前から、見えない壁の中で劣化が進行しているケースがあることです。

今回の写真は、まさに「外からは見えない部分で何が起こるのか」を示す事例だと思います。

外壁通気層は「作ればOK」ではありません

新築住宅の施工現場でも、

「胴縁が取り付けてあるから通気層はできている」

と考えてしまいがちです。

しかし、重要なのは単に空間が存在することではありません。

本当に確認しなければならないのは、

「空気と水が通る経路が成立しているか」

ということです。

例えば、

✅ 通気層の入口が確保されているか

✅ 通気経路が途中で塞がれていないか

✅ 胴縁の施工によって水や空気の流れを阻害していないか

✅ サッシや配管貫通部まわりで通気・排水経路を塞いでいないか

✅ バルコニーや下屋との取り合い部分で通気層が極端に狭くなっていないか

✅ 浸入した雨水を下方へ排出できる納まりになっているか

などを確認する必要があります。

「通気層がある」ことと、「通気層が機能している」ことは別です。

ここは非常に重要なポイントです。

雨漏り対策では「入れない・排水する・乾かす」を考える☔

住宅の外壁防水では、雨水を絶対に一滴も入れないという考え方だけではなく、複数の防水・排水機能によって建物を守っています。

そのため重要なのは、

① 雨水をできるだけ入れない

② 入った雨水を壁内部へ浸入させない

③ 入った水を外へ排出する

④ 湿気を逃がして乾燥させる

という考え方です。

今回の事例では、特に③と④の**「排水」と「乾燥」**がいかに重要なのかが分かります。

水が入ったとしても適切に排水され、速やかに乾燥できれば、木材が長期間湿った状態になるリスクを抑えられます。

反対に、水が滞留し、湿気も逃げず、乾燥しない状態が続けば、外壁下地の劣化につながります。

新築住宅のインスペクションでは「通気層が機能するか」まで確認🔍

株式会社家のちえが行う新築住宅の第三者検査(ホームインスペクション)では、単に、

「胴縁が施工されているか」

だけを見ているわけではありません。

外壁通気層について、

「この状態で、本当に空気が流れるのか?」

「雨水が入ったとき、本当に下へ排水できるのか?」

という視点で確認しています。

特に、

・サッシまわり
・配管貫通部
・バルコニーまわり
・下屋との取り合い
・横胴縁の通気経路
・外壁下端や上端

などは、通気・排水経路に問題が生じやすいため注意して確認する部分です。

外壁材を張ってしまえば、こうした施工の多くは見えなくなります。

だからこそ、外壁を施工する前の第三者検査が重要なのです。

「見えない部分」が住宅の耐久性を左右します

今回のような腐朽を見ると、改めて感じることがあります。

住宅の耐久性を左右するのは、完成後に見えるきれいな外壁だけではありません。

その裏側にある、

透湿防水シート・胴縁・通気層・防水テープ・貫通部などの細かな施工の積み重ね

が、住宅を長期間守っています。

通気層工法は、

「作れば良い」のではありません。

大切なのは、

「通気」と「排水」が本当に成立しているか。

そして、万一濡れても**「乾燥できる外壁」になっているか。**

ここまで確認することが重要です。

今回の写真のように、問題が表面化して外壁を剥がしたときには、すでに内部で腐朽が大きく進行していることもあります。

だからこそ、株式会社家のちえのインスペクションでは、完成後には見えなくなる外壁下地についても、施工途中でしっかり確認しています。


愛知・名古屋で新築住宅の第三者検査・ホームインスペクションをご検討の方へ

株式会社家のちえでは、名古屋市・愛知県を中心に、岐阜県・三重県で、新築住宅の第三者検査・ホームインスペクションを実施しています。

外壁通気層・透湿防水シート・防水テープ・サッシまわり・配管貫通部など、完成すると見えなくなる外壁防水の施工状態も、一級建築士が第三者の視点で確認します。

また、

「雨漏りの原因を調べたい」

「外壁内部の腐朽が心配」

「新築住宅の外壁通気層が正しく施工されているか確認したい」

といった住宅インスペクションについてもご相談ください。

株式会社家のちえ
一級建築士 × 第三者検査

住宅は、見えない部分こそ重要です。

「通気層があるか」ではなく、**「本当に通気・排水・乾燥が成立しているか」**まで確認します。

関連記事

TOP