ホームインスペクション

【大手ハウスメーカーで建築された住宅】床下に結露とカビが発生

【大手ハウスメーカーで建築された住宅】床下に結露とカビが発生

原因究明には「ひとつの検査」だけでは分からないことがあります

今回ご相談いただいたのは、大手ハウスメーカーで建築された住宅です。

入居後、床下で結露とカビが発生していることが分かり、床下インスペクションのご依頼をいただきました。

「なぜ床下に結露が発生したのか?」

「なぜカビが生えてしまったのか?」

原因を調査してほしいというご相談です。

床下の結露やカビというと、

「床下換気が足りないのでは?」

「湿度が高いからでは?」

と、一つの原因を考えてしまいがちです。

しかし実際には、一つの検査結果だけで原因を判断できるとは限りません。

温度・湿度・換気・断熱・気流・建物の構造など、複数の条件が関係している可能性があるからです。

床下結露・カビの原因を複数の方法で調査🔍

今回の床下インスペクションでは、単に床下へ潜って目視確認するだけではなく、さまざまな測定・調査を行いました。

例えば、

・床下の温度・湿度測定

・部材の表面温度測定

・サーモグラフィーカメラによる温度分布の確認

・換気設備の風量測定

・木材などの含水率測定

・土壌水分量測定

さらに、設計図書や設備図などを確認しながら、床下の換気計算も行います。

重要なのは、それぞれの測定結果を単独で判断しないことです。

「湿度が高い」

「木材の含水率が高い」

「温度の低い場所がある」

という個別の現象を確認し、それらがどのようにつながっているのかを考えながら、原因を絞り込んでいきます。

フォグマシンで「床下の空気の流れ」を確認💨

今回行った調査のひとつが、フォグマシンを使った床下換気・気流の確認です。

私たちが実際に床下へ入り、写真のようにフォグマシンで煙を発生させます。

その後、床下点検口の蓋を閉め、通常の状態に近づけたうえで、

「煙がどちらへ動いていくのか」

を確認します。

図面や計算上では換気が成立しているように見えても、実際の床下で空気が想定どおり動いているとは限りません。

だからこそ、実際の気流を可視化して確認することに意味があります。

正常に換気されていれば煙はどう動く?

床下換気設備が作動し、区画間の通気経路も適切に確保されていれば、発生させた煙には徐々に移動する様子が現れます。

床下の各区画を通りながら、換気設備や排気側へ向かって移動していく。

こうした煙の動きを観察することで、

「床下のどこまで空気が動いているのか」

「空気が動きにくい場所がないか」

を確認できます。

ただし、煙の動きは換気設備の運転条件や給排気条件、床下区画、開口面積などにも左右されるため、煙の動きだけで換気性能の良否を断定するものではありません。

あくまで複数ある調査方法のひとつです。

今回は煙がその場に滞留しました

今回の住宅では、フォグマシンで発生させた煙が、想定していたようには移動しませんでした。

煙は発生させた区画に滞留し、基礎で区切られた隣の区画へ煙が流れていく様子が、ほとんど確認できませんでした。

ここで重要なのは、

「煙が動かなかった=これだけが結露・カビの原因」

と判断しないことです。

なぜ空気が動かなかったのか。

図面上の換気計画と実際の施工状態に違いはないか。

ほかの測定結果と整合するのか。

さらに調べていく必要があります。

床下の空気が流れない原因として何が考えられる?

今回のように基礎で区画された床下で十分な気流が確認できない場合、さまざまな原因が考えられます。

例えば、

基礎立上りによって床下区画が分断されている

区画間の換気・通気開口が不足している

本来空気が通る開口部を設備配管などが阻害している

施工時に基礎区画の開口部を塞ぐような納まりになっている

設計上想定した給気・排気経路と実際の施工状態が異なっている

などです。

一つひとつ確認しながら、設計・施工・設備のどこに問題があるのかを整理していくことが重要です。

なぜ床下の「空気の流れ」が重要なのか?

床下は普段の生活ではほとんど見ることがありません。

しかし、建物の耐久性を考えるうえでは非常に重要な場所です。

床下に湿気が滞留し、部材表面温度が露点温度以下になるなど結露条件が整えば、表面結露が発生する可能性があります。

さらに、高湿度・高含水の状態が長期間続けば、

⚠️ カビの発生

⚠️ 木材の含水率上昇

⚠️ 木材・下地材の劣化

⚠️ 腐朽リスクの増加

などにつながる可能性があります。

また、湿潤した環境は、条件によってはシロアリ被害のリスクを高める要因の一つにもなります。

だからこそ、

「床下だから見えなくても大丈夫」

ではありません。

むしろ、日常的に確認できない場所だからこそ注意が必要です。

高気密・高断熱住宅は「断熱性能が高ければOK」ではありません

最近の住宅は、高気密・高断熱化が進んでいます。

住宅の省エネルギー性能や室内の快適性を高めるうえで、断熱・気密性能は非常に重要です。

しかし、断熱材を厚くして気密性能を高めれば、それだけですべて解決するわけではありません。

住宅は、

断熱・気密・換気・防湿・温湿度

などを一体として考える必要があります。

特に床下空間を換気システムの経路として利用するような住宅では、

「床下全体で空気がどのように流れるのか」

という視点が非常に重要になります。

設計図上では換気量が確保されていても、実際の施工によって通気経路が狭くなったり、塞がれたりしていれば、想定どおりの換気が行われない可能性があります。

「計算」と「現場」の両方を見ることが重要

住宅性能を調べるとき、私は計算だけでも、現場確認だけでも不十分だと考えています。

図面から換気量や必要開口などを計算する。

そして実際の現場では、

温度はどうなっているのか。

湿度はどうなっているのか。

木材はどの程度の含水状態なのか。

空気は本当に流れているのか。

施工は図面どおりなのか。

それぞれを確認します。

「図面・計算」と「実際の建物」を照合する。

これが、原因調査では非常に重要です。

今回のようなフォグマシンによる気流確認も、そのための調査方法のひとつです。

床下結露・カビは「結果」 大切なのは原因を探すこと

床下にカビが生えていた場合、

「カビを除去すれば終わり」

ではありません。

カビは、そこで何らかの湿潤状態が続いた結果です。

なぜ湿度が高くなったのか。

なぜ結露したのか。

なぜ空気が動かなかったのか。

なぜ乾燥しなかったのか。

その原因を改善しなければ、表面だけをきれいにしても再発する可能性があります。

だからこそ住宅インスペクションでは、目の前にある症状だけではなく、

「なぜ、この状態になったのか?」

まで調べることが重要です。

完成後に見えない部分だからこそ、第三者の視点で確認する🏠

住宅には、床下・壁の中・天井裏など、完成すると日常的には確認できない場所がたくさんあります。

しかし、住宅の性能や耐久性に大きく関係するのは、こうした**「見えない部分」**です。

今回の床下調査でも、

温湿度測定、表面温度、サーモグラフィー、風量測定、含水率測定、土壌水分計、換気計算、そしてフォグマシンによる気流確認など、複数の情報を組み合わせながら原因を調査しています。

一つの数字、一つの写真だけで判断するのではありません。

複数の調査結果を照合しながら、建物全体として何が起きているのかを考える。

それが住宅インスペクションでは重要だと考えています。


愛知・名古屋で床下インスペクション・住宅診断をご検討の方へ

株式会社家のちえでは、名古屋市・愛知県を中心に、岐阜県・三重県でホームインスペクション・住宅診断を実施しています。

新築住宅の第三者検査だけでなく、

「床下に結露が発生している」

「床下にカビが生えている」

「床下換気が正常に機能しているのか確認したい」

「ハウスメーカーから説明を受けたが、本当に原因がそれなのか第三者に確認してほしい」

といったご相談にも対応しています。

目視だけではなく、必要に応じて温湿度・表面温度・サーモグラフィー・風量・含水率・図面・換気計算・気流確認などを組み合わせ、原因を総合的に調査します。

株式会社家のちえ
一級建築士 × 第三者検査・ホームインスペクション

住宅は「見えない部分」こそ重要です。

症状を見るだけではなく、「なぜそうなったのか」まで確認するインスペクションを大切にしています。

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